わかりやすい調剤報酬シリーズの第3弾になります。
調剤基本料は薬局ごとに決められた基本の点数ですが、さらに要件に合えば加算を取ることが可能です。
今回はその加算、【地域支援体制加算】について詳しく解説していきます。
ちなみに第1弾と第2弾はこちら↓
なお、又、調剤報酬点数表の一覧全体はこちらからご確認下さい。
(参考URL:日本薬剤師会ホームページ)
地域支援体制加算とは?
地域支援体制加算とは、かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域医療に貢献する薬局の体制を評価する加算です。
かかりつけ薬剤師とは、患者様からお薬の飲み合わせ等の相談を受けたりと、他病院から処方されているお薬だけではなく、市販薬も含めて管理し、フォローアップを行います。服薬状況を継続的に管理する制度です。
算定している調剤基本料や地域医療への貢献に係る体制や実績に応じて1〜4に区分されています。
地域支援体制加算の算定要件とは?
地域支援体制加算1・2・3・4ごとに定められた実績要件と、
地域支援体制加算1・2・3・4共通の施設基準を満たすこと。
両方合わせて算定要件なんですね!
地域支援体制加算に必要な実績要件
地域支援体制加算には、地域医療に貢献している実績を有するかを判定する実績要件を満たす必要があります。
(1)地域支援体制加算1・・・39点
・調剤基本料1を算定している。
・下記の【表1】より4つ以上を満たすこと。(ただし①〜③は必須)
※②、④及び⑤については、保険薬局当たりの直近1年間の実績とする。
【表1】
①麻薬小売業者免許
②在宅薬剤管理の実績・・・24回以上
③かかりつけ薬剤師指導料等の届出
④服薬情報等提供料の実績・・・12回以上
⑤認定薬剤師の多職種会議への参加・・・1回以上
(2)地域支援体制加算2・・・47点
・調剤基本料1を算定している。
・(1)の要件を満たした上で、下記の【表2】の❶〜❾のうち、3つ以上を満たすこと。
(3)地域支援体制加算3・・・17点
・調剤基本料1・特別調剤基本料以外を算定している。
・麻薬小売業者免許
・下記の【表2】の❶〜❾のうち、3つ以上を満たすこと。(ただし❹及び❼は必須)
(4)地域支援体制加算4・・・39点
・調剤基本料1・特別調剤基本料以外を算定している。
・下記の【表2】の❶〜❾のうち、8つ以上を満たすこと。
【表2】
❶夜間・休日等の対応実績・・・400回以上
❷麻薬の調剤実績・・・10回以上
❸重複投薬・相互作用等防止加算等の実績・・・40回以上
❹かかりつけ薬剤師指導料等の実績・・・40回以上
❺外来服薬支援料1の実績・・・12回以上
❻服用薬剤調整支援料1及び2の実績・・・1回以上
❼単一建物診療患者1人の在宅薬剤管理の実績・・・24回以上
❽服薬情報等提供料の実績・・・60回以上
❾多職種会議への参加・・・5回以上
※ただし❾は保険薬局当たりの直近1年間の実績、それ以外は保険薬局における直近1年間の処方せん受付回数1万回当たりの実績
※直近1年間の処方せん受付回数が1万回未満は、処方せん受付回数1万回とみなす。
地域支援体制加算の施設基準
施設基準とは、地域医療への貢献に係る体制が整っているかを判定するものです。
こちらは全薬局の共通要件で、以下の全ての要件を満たすことが必須となります。
・医薬品の備蓄1200品目以上 | ・医薬品情報の提供体制の確保 |
・24時間調剤・在宅の体制 (連携可) | ・患者のプライバシーへの配慮 |
・緊急の連絡先等を文書で交付・ 薬局外に掲示 | ・一般用医薬品(OTC)の販売 |
・24時間調剤・在宅の周知 | ・地域住民の生活習慣の改善、疾病の予防に資する取組み |
・記録・指導(薬歴の作成) | ・健康相談又は健康教室を行っている旨を薬局内・外への掲示・周知 |
・一定時間以上の開局 | ・医療材料及び衛生材料の供給体制 |
・管理薬剤師の資格要件 | ・在宅療養支援に係る診療所、病院、訪問看護ステーションとの円滑な連携 |
・在宅の届出、体制整備、周知 | ・地域において他の保険医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携 |
・調剤従事者等の定期的な研修計画策定と実施 | ・プレアボイド事例の把握・収集に関する取組み |
・医薬品の安全情報への対応 | ・副作用報告に係る手順書・報告体制 |
・集中率85%超の場合は後発医薬品の使用割合が50%以上 |
連携強化加算とは?
連携強化加算とは、災害や新興感染症発生時などにおける医療機関間の連携体制を評価するための加算です。
地域支援体制加算を算定している薬局が、要件を満たすことで調剤基本料に2点を加算できます。
まとめ
今回は、地域支援体制加算について詳しく解説していきました。
要件の数も多くて全部を理解するのはなかなか難しいですよね。
勤務する薬局が地域支援体制加算を算定しているのであれば、その内容だけでも理解しておくと良いですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました☆