こんにちは、おかゆです!
調剤事務初心者の皆さん、少しずつ業務には慣れてきましたでしょうか。
基本的なことはわかってきたけど、たまに難しいことが起きるとドキドキしちゃいますよね。
その一つが患者様から処方せんと保険証以外の物を渡された時…笑

そうなんです!
種類も色々あるので混乱しちゃいます…。

大丈夫!焦らず一つずつゆっくりと勉強していきましょう!
そんな中で、今回は限度額適用認定証を持参された時の高額療養費制度についてお伝えしていきます。最後まで是非ご覧下さい!
高額療養費制度とは?

日本では、医療費が人々の生活を圧迫することがないよう、高額になった医療費をカバーする「高額療養費制度」が導入されています。
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月で一定額(自己負担限度額)を超えた場合、その超えた分の額を払い戻される制度です。
もしも大きな病気や怪我をしてしまい医療費が高額になってしまった時に、自己負担限度額を超えた分は国が負担してくれるので安心して治療を受けることができますし、とても頼りになる制度です。
高額療養費の対象となるのは、公的医療保険の対象である治療を行った場合です。
公的医療保険の対象・対象外の目安はそれぞれ以下の通りです。
公的医療保険の対象 | 公的医療保険の対象外 |
・診察、検査費用 ・処置・手術費用 ・入院・看護費用 ・在宅療養・訪問看護費用 ・薬代(処方せん) ・出産費用(帝王切開) ・不妊治療(検査や排卵誘発注射など 一般的な治療)など | ・差額ベッド代(患者希望の場合) ・入院時の食事代 ・出産費用(自然分娩) ・先進医療 ・国内未承認の抗がん剤などを用いた自由診療 ・不妊治療(人工授精・体外受精などの高度生殖医療) ・歯のインプラント治療など |
高額療養費の利用方法は?限度額適用認定証とは?

高額療養費制度は、自己負担限度額を超えた分の医療費が後から払い戻しされる制度です。
通常申請から3〜4ヶ月後に払い戻しされます。
しかし、一時的とはいえ、立て替えて支払った高額な医療費が大きな負担となってしまいます。
そこで事前の申請を行うことで、その時から高額療養費制度が適応された自己負担分だけで済むのが「限度額適用認定証」です。
利用方法としては、まず患者様自身が事前に保険者に申請し、「限度額適用認定証」を入手します。
「限度額適用認定証」は他に、「限度額適用・標準負担額減額認定証」があります。
医療機関や保険薬局の窓口に「限度額適用認定証」を提示、もしくはオンライン資格確認で限度額情報の確認に同意してもらう事で利用できます。
ただし、70歳以上の患者様については認定証を持っていなくても一定の高額療養費制度を利用することができます。

69歳以下の人は「限度額適用認定証」の提示がない場合、又はオンライン資格確認で限度額情報の確認をしない場合には高額療養費制度は使えません。
自己負担の上限額っていくらなの?
自己負担の上限額は年代によって異なります。
70歳未満と70歳以上で分かれていますので、下記の表で確認してみましょう。
70歳未満の場合
区分 | 所得の区分 | 自己負担限度額 (年4回未満) | 多数回該当 (年4回目以降) | |
---|---|---|---|---|
ア | 健保 | 標準報酬月額83万円以上 | 252600円+(総医療費ー842000円)×1% | 140100円 |
国保 | 旧ただし書き所得901万円超 | 〃 | 〃 | |
イ | 健保 | 標準報酬月額53〜79万円 | 167400円+(総医療費ー558000円)×1% | 93000円 |
国保 | 旧ただし書き所得600〜901万円 | 〃 | 〃 | |
ウ | 健保 | 標準報酬月額28〜50万円 | 80100円+(総医療費ー267000円)×1% | 44400円 |
国保 | 旧ただし書き所得210〜600万円 | 〃 | 〃 | |
エ | 健保 | 標準報酬月額26万円以下 | 57600円 | 44400円 |
国保 | 旧ただし書き所得210万円以下 | 〃 | 〃 | |
オ | 低所得者(住民税非課税) | 35400円 | 24600円 |
70歳以上の場合
適応区分 | ひと月の自己負担限度額:外来(個人ごと) | ひと月の自己負担限度額 外来・入院(世帯ごと) | |
---|---|---|---|
現役並み | 年収1160万円〜 標準報酬月額83万円以上 課税所得690万円以上 | 252600円+(医療費ー842000)×1% 【多数回該当:140100円】 | 左記に同じ |
〃 | 年収770万円〜約1160万円 標準報酬月額53万円以上 課税所得380万円以上 | 167400円+(医療費ー558000)×1% 【多数回該当:93000円】 | 左記に同じ |
〃 | 年収370万円〜約770万円 標準報酬月額28万円以上 課税所得145万円以上 | 80100円+(医療費ー267000)×1% 【多数回該当:44400円】 | 左記に同じ |
一般 | 年収156万円〜約370万円 標準報酬月額26万円以下 課税所得145万円未満等 | 18000円(年14万4千円) | 57600円 【多数回該当44400円】 |
非課税等住民税 | Ⅱ 住民税非課税世帯 | 8000円 | 24600円 |
〃 | Ⅰ住民税非課税世帯 (年金収入80万円以下など) | 8000円 | 15000円 |

70歳以上の方でも、現役並みの所得があると70歳以下の方と同じ上限額になっていますね。
年収が370万円未満の人の場合は上限額が決まっており、個人ごとの外来診療と世帯ごとの外来診療・入院費用とで上限額が異なるので注意が必要です。
多数回該当とは?
過去12ヶ月以内に3回以上高額療養費を利用した場合、4回目以降の自己負担上限額がさらに引き下げられる仕組みのことです。
高額療養費制度は、医療機関・薬局ごとに適用となります。
医療機関で多数回該当となっても、薬局で要件を満たすまでは適用になりません。
高額療養費は世帯合算が可能

以下のいずれかに当てはまる場合は、自己負担額をひと月単位で合算できます。
高額療養費が合算できる条件
・複数の医療機関で支払った窓口負担
・同じ医療機関の入院や外来など、別の場所で支払った窓口負担
・同じ公的医療保険に加入している同じ世帯の人が支払った窓口負担

例えば、同じ世帯のご夫婦で合算しても大丈夫って事ですか?

はい、その通りです。
ただし、世帯で合算した場合は患者様自ら還付請求を行わなくてはならないので注意が必要です!
まとめ
今回は高額療養費制度について詳しく説明していきました。
患者様から問い合わせなどあった際に、説明できるようにしていきたいですね。