【出荷調整で入荷未定】お薬の在庫がない時の対応方法とは?【不足薬】

調剤事務初心者向け
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こんにちは、おかゆです!

患者様が処方せんを持ってこられたけど、お薬がない!ってことありますよね。

後輩
後輩

まだ調剤事務の仕事に慣れてないし、在庫がないってなるとアタフタしてしまいます…。

又、最近SNSでも『出荷調整』という言葉を頻繁に目にするようになったのではないでしょうか。

お薬が『出荷調整』になると、薬局に薬がなかなか入ってこなくなります。

今回は、その『出荷調整』についてと、お薬がない時の薬局の対応方法についてお伝えしていきます。

出荷調整とは?

出荷調整とは、ある医薬品に対する需要(使用量)が供給(製造量)を上回った場合に、完全に在庫が無くなってしまい出荷停止になるのを避けるため、製薬会社が医薬品の出荷量や出荷先を調整することをいいます。

つまり、お薬が薬局に入りにくい状態になってしまっているという事です。

これは、おかゆが勤める薬局だけではなく、全国的に、かつ継続的に医薬品の供給が不安定になってしまっているのです。

その為、お薬の在庫がないという事態に陥っている薬局は、全国的に増えてしまっているのです。

おかゆ
おかゆ

出荷調整になっているお薬の数は約4000種類あると言われています。※
風邪で処方されるようなお薬まで出荷調整の対象となっています。
薬剤師・調剤事務は、お薬の納品がないと分かった時点でもちろん発注をかけています。
それでも納品がないので、在庫のある系列薬局から移動したり、同成分の別メーカーを発注したりと工夫をしていますが、全国的に不足しているので難しい状況です。
さらに、この出荷調整は2021年頃から始まり、202
4年現在もまだ終息の目処が立たないそうです。
薬剤師・調剤事務も頭を抱える日々です。

※参考URL:厚生労働省ホームページ 令和5年6月16日 会議資料より

お薬の在庫がない時の対応方法とは?

『全国どこの処方せんでも承ります』と謳っている薬局も多いですが、だからといって世の中の全てのお薬を置いてあるわけではありません。

おかゆ
おかゆ

保管場所もないですし、お薬には使用期限もありますので、ほとんど処方が来ないようなお薬を置いておくことが出来ないのです。

ほとんどの薬局は、近隣の病院から出る処方に合わせてお薬を在庫しています。

それでも珍しいお薬や出荷調整のお薬が出ると、薬局に在庫していないということはあります。

では、在庫がなかった場合の対応方法は、以下のようになります。

卸業者に発注をする

まずはいつも頼んでいる卸業者に電話で発注をします。

在庫があれば早くて当日、大体は翌営業日には持ってきてもらえます。

各薬局、各卸業者によってどのくらいで持ってきてもらえるかは違いますので、必ず納品する時間を確認しておきましょう。

系列薬局から分けてもらう

卸業者にも在庫がなかったり、出荷調整のお薬だった場合は薬局にお薬が入ってきません。

その場合は、系列薬局で在庫がある店舗を調べて、お薬を分けてくれるか電話で問い合わせます。

OKなら取りに行くか、郵送してもらうことになりますので、時間が掛かるので注意が必要です。

近隣の他調剤薬局から分けてもらう

系列薬局でも対応できない場合は近隣薬局から分けてもらう方法もあります。

その際は 『薬局間における医療用医薬品の譲受・譲渡に関するガイドライン』に沿って行います。

ガイドラインでは、薬局間で医薬品を譲受・譲渡する際、薬局開設者が、譲渡(譲受)人の氏名や医薬品名、規格番号、使用期限などの情報を記録し、3年間保存することになっています。

記録書面は、譲受側、譲渡側の双方で保管し、同一法人(開設者が同一)の薬局間でも、他の薬局間と変わらず、両方の薬局で記録書面を保存しなければなりません。

具体的な記録事項は以下の通りです。

■医薬品に関する情報
(1)製造販売業者
(2)医薬品名
(3)規格
(4)数量
(5)製造番号・記号
(6)使用期限(有効期間)
■譲受(譲渡)に関する情報
(7)譲受(譲渡)年月日
(8)薬局名
(9)薬局の連絡先
(10)医薬品を渡した(受け取った)人

なお、取引の際行うことはこちら。

(1)薬局開設許可証のコピーや身分証の提示
(2)当該薬局の従事者が対面で、譲渡側(販売・授与)の薬局で行うこと

その他詳しい内容についてはこちらで確認して下さい。(参考URL:日本薬剤師会ホームページより)

後輩
後輩

他の薬局とのやりとりはこんなに色々なことが決められているんですね!

他の薬局を紹介する

すぐ飲まなければならないお薬だったり、手配が難しい様でしたら、心苦しいですが他の薬局に行ってもらうこともあります。

受診した病院の近くにある薬局には、比較的在庫している場合も多いです。

とはいえ、在庫があるか確認せずに紹介して、実際行ってみたらお薬がないですっていうことがないようにしましょう。

こちらから電話で在庫があるか確認するか、患者様に直接電話して頂いてから行くように伝えましょう。

不足薬の渡し方は?

不足が出てしまった場合は、納品する時間を必ず確認し、その時間以降のお渡しになることをお伝えしましょう。
万が一納品が遅れてしまった場合には、連絡出来るよう電話番号を確認しておきます。

又、お薬の渡し方をどうするか、この時点で患者様と相談し決めます。

不足が出てしまった場合は、薬局側がなるべく患者様の都合に合わせるのが良いでしょう。

ただし、こちらも勤務する薬局によって対応方法は違いますので、自身の薬局の対応方法を従業員同士確認し、統一しておきましょう。

取りに来て頂く

薬局側がお薬を不足させてしまったのに、もう一度薬局まで足を運んで頂けるということ。

わざわざ取りに来てくださるという気持ちを忘れずに対応することが大事ですね。

取りに来て下さった際には、忙しい業務中でも待たせる事なく、優先して丁寧に対応しましょう。

又、本人確認やサイン等をしてもらい、お薬と数量を確認してお渡しします。

郵送する

薬がまだ残っている場合など、時間が多少掛かっても大丈夫な時は、お薬を患者様宅へ郵送することも出来ます。

郵送する場合は、登録してある個人情報から変更がある場合もありますので、住所と電話番号を必ず確認します。

天候の悪化などで配達が遅れる場合も考え、届く期間は少し多めにお伝えするといいでしょう。

梱包する際は、錠剤等が割れてしまう可能性も考え、気泡緩衝材(いわゆるプチプチです)などでお薬を包み、お詫び状も一緒に入れておくようにしましょう。

おかゆ
おかゆ

冷所保管のお薬など郵送が出来ないものもありますので注意しましょう。

配達する

お薬を患者様宅へ配達をします。

事前に薬剤師による監査や患者様への説明が終わっていれば、調剤事務が配達に行くとこも可能です。

※こちらの記事でも、調剤事務が行える仕事についてお伝えしています⇩

配達に行く前に、患者様の在宅を確認するのと、患者様にも今から出発するということをお伝えする為に、電話を入れましょう。

配達に行く時は、以下の物を持っていくと良いです。

・ネームプレート(薬局の従業員と分かるように)
・地図(患者様のご自宅が分からなくならないように)
・住所と名前を書いたもの(途中でド忘れしたら大変です)
・携帯電話(患者様のご自宅にたどり着けない場合や、患者様から質問された場合など薬局に確認したいことが出来た時に)

おかゆ
おかゆ

おかゆの勤務する薬局は、基本は配達は行わない方針です。
薬局に人数等、さまざまな理由から行なっていない薬局もあると思いますので、勤務する薬局は配達の対応をしているかを事前に確認しましょう。

まとめ

今回は、薬の在庫がない時の対応方法についてお伝えしました。

皆さんの薬局でも同じような対応でしょうか?

他にこんな方法がありますよ!等ありましたらこちらにコメントで教えてください☆

又、このブログの感想や質問、ご意見もお待ちしております☆