薬の種類と剤形を理解しよう!【内服薬・外用薬・注射薬】

調剤事務初心者向け
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こんにちは、おかゆです!

調剤室にはたくさんのお薬がありますよね。

一体どんだけ種類があるんだーー!と始めたばかりの調剤事務さんはびっくりしている事でしょう。

お薬には、それぞれの用途によって様々な種類や形があります。

今回は、薬の種類と剤形について解説していきます。

薬の種類とは?

薬の種類は大きく3つに分けられます。

内服薬

内服薬とは、口から摂取する薬のことです。

主に錠剤、カプセル、液体などの形で体内に取り込まれ、胃や小腸など消化器で溶けて吸収されます。

内服薬にはさまざまな種類があります。

錠剤(丸剤・錠剤)

錠剤は、薬の有効成分、添加物の粉末を圧力などにより固めたものです。

錠剤は口から摂取され、消化器官を通じて体内に吸収されます。

治療目的に応じてさまざまな大きさや厚さ、色、形状があります。

おかゆ
おかゆ

剤形とはお薬の形のことを指します。

錠剤のなかにも飲みやすくする工夫が施された様々な種類があります。

『糖衣錠』・・・薬の味を感じにくくさせ、飲みやすいように砂糖でコーティングしている。

『徐放錠』・・・薬が少しずつ溶けていくことで長時間薬の効果が持続するよう特殊コーティングしている。

『腸溶錠』・・・胃ではなく腸で溶けるようにしたもの。

『舌下錠』・・・舌の下に薬を入れ唾液で溶かし、口腔粘膜から体内に吸収させる。

『チュアブル錠』・・・かみ砕いて唾液で溶かして飲む。

『口腔内崩壊錠(OD錠)』・・・口の中に入れると唾液で溶けるため水なしで服用できる。

後輩
後輩

錠剤だけでもこんなに種類があるんですね!

カプセル剤

カプセル剤は、ゼラチンでできた筒状の容器に粉末状・液状の薬を詰めたものです。

カプセル内部の薬剤を保護し、消化されるまで溶けることなく体内に達します。

カプセルで包まれているため薬剤のにおいや味を感じにくいのが良い点です。

しかし、カプセルはゼラチンで出来ているため、喉や食道にくっついてしまったり、口の中で水に浮くため飲みにくいと感じる方もいます。

おかゆ
おかゆ

多めの水で服用するようにしましょう。

シロップ剤・内服液剤

シロップ剤・内服液剤は、薬剤を液体の形で提供する内服薬の一種です。

シロップ剤は、糖や甘味料を加えて甘味を強くしているため、薬を嫌がるお子さんでも飲みやすいものとなっています。

内服液剤は、薬を水などで溶解して作られたものです。

散剤・細粒

散剤とは、粉末状の薬剤で、いわゆる『粉薬』のことです。

サラサラの粉状になっていて、水や他の液体と混ぜて摂取することが出来ます。

錠剤やカプセル剤に比べて早く体内に吸収されるため、薬の効果が早く現れることも良い点です。

量の調整がしやすいので、患者さんの症状や体重に合わせた処方ができます。

細粒とは、細かい粒状の薬剤のことを指します。粒子は散剤より大きく、顆粒剤より小さいです。

粒子の大きさは、散剤 < 細粒剤 < 顆粒剤 の順に大きくなります。

顆粒

顆粒とは、散剤よりも粒が大きく、粒子の大きさが揃っている薬剤のことを指します。

散剤よりも粒子が大きいため飛散する心配が少なく飲みやすいのが特徴です。

また顆粒剤のなかには、表面にコーティングが施され、薬が溶け出す時間を調節したり、服用しやすいにおいや味に作られたりしているものもあります。

外用薬

外用薬とは、皮膚やのどの粘膜など外部から吸収させる薬です。

外用薬にはさまざまな種類があります。

塗布薬

塗布薬とは、直接皮膚や粘膜に塗ることで効果を得る薬剤のことです。

軟膏・クリーム・ローションなどの種類があり、皮膚疾患や炎症を治療するために使用されます。

また、傷口の治癒を促進したり、かゆみや痛みを和らげたりするのにも使われます。

これらの薬剤は、皮膚に直接作用することで効果を発揮します。

塗布薬には様々な種類があります。

軟膏剤

粘度がある半固形剤で、皮膚に塗布する用法に適しています。

保湿力が高く、また余分な添加物が入っていないため刺激が少ないのが特徴です。

その一方で、油分が多いためべたつきやテカリが気になることがあります。

クリーム剤

油脂と水を乳化させたものに薬剤を配合した塗り薬です。

さらっとして塗りやすく、軟膏ほどべたつきがありません。

薬剤が皮膚へ浸透しやすいのが特徴ですが、傷に塗ると刺激を感じることがあります。

ローション剤

クリーム剤よりもさらっとした使用感で、べたつきもほとんどありません。

汗や摩擦などで薬が取れやすく、またクリーム剤よりも刺激が強いものも多く、傷がある場合には使用を避けたほうがいいでしょう。

貼付薬

貼付薬は、皮膚に貼り付けて使用する薬です。

皮膚から吸収されることで薬効を発揮し、長時間にわたって効果が持続することが特徴です。

例えば、痛みを軽減するための鎮痛薬や、ニコチンパッチのような禁煙補助薬がこの形態で提供されます。

貼付薬にはテープ剤・パップ剤があり、用途によって使い分けます。

テープ剤』・・・粘着性が高く、剥がれにくい。肘や膝などのよく動かす関節部分に適している。粘着力が強くかぶれや痒みを起こしやすい。

パップ剤』・・・粘着性が低く、かぶれを起こしにくい。剥がれやすく、肩・腰などの動きの少ない部分に適している。

点眼薬

点眼薬は、目に直接投与される薬剤です。

目の炎症、乾燥、アレルギー反応、緑内障、白内障、眼圧の調節など、さまざまな目の問題を治療するために使用されます。

2種類以上の点眼剤を点眼する場合、5分以上間隔を空けてください。

間隔が短いと、先に点眼した薬が後に点眼した薬によって洗い流され十分な効果が得られないことがあります。

点鼻薬

点鼻薬は、スプレーや液体の形態で提供され、鼻腔に直接投与されます。

鼻づまりや鼻炎、アレルギー性鼻炎などの鼻の症状を緩和するのに使用されます。

点鼻薬には、抗アレルギー薬の点鼻薬・ステロイドの点鼻薬・血管収縮剤の点鼻薬があります。

トローチ剤

トローチ剤は、口腔内で溶かして使用する薬剤です。

消炎作用や殺菌作用があり、のどの痛みや風邪の症状を和らげるために使われます。

かみ砕いたり、飲み込んだりせず、できるだけ長く口の中に含んで溶かして使用します。

坐薬

坐薬は、直腸に挿入して使用する薬剤です。

解熱剤、便秘薬、抗炎症薬、抗生物質などが坐薬として使われます。

肛門や膣内に挿入すると体温によって溶けるか、または分泌液によって徐々に溶け、直腸から吸収されます。

腸の粘膜から直接血液中に吸収されるため、一般的に内服薬よりも早く薬の効果が現れます。

注射薬

注射薬は、皮下、筋肉、静脈などの体内組織に注射することで効果を得る薬剤のことです。

注射器と針を使用して体内に投与されます。

静脈内(点滴)、筋肉内、皮下に注射することで、迅速に効果を発揮することができます。

まとめ

薬の種類と剤形について詳しく解説していきました。

今回出てきた剤形以外にも、まだ沢山の薬が存在しますので(例えば点耳薬、吸入薬等)これが全てではない事だけ知っておいて下さいね。

今回出てきた内容だけでも理解しておくことで、処方入力をする際にもスムーズに薬を選ぶことが出来ますよ☆

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